こんにちは。ニッチな分野の人材育成コンサルタントの矢澤です。
このブログでは、あなたの育成ノウハウを“続いていく仕組み”に変える視点や工夫をお伝えしています。
今日は「教材を作った後」に訪れる変化についてお伝えします。
教材化すると「自分の中から出ていく感覚」がある
教材づくりというと、受講生や社員など「教わる側」にとって価値があるものだと思われがちですが、実は「教える側」、つまり制作者自身にも大きな変化をもたらす行為です。
「教材化したら、なくなる」感覚
教材を作った方からよく聞くのが、
「自分の中にあったノウハウが、外に出ていってしまったような感覚になる」
という言葉です。
長年、感覚的に積み上げてきた知識や経験を、言語化し、整理し、体系化して教材という形にまとめた瞬間、それまで「自分の中」にあったものが「自分の外側」に現れる。
つまり、「自分の中の知識を、外に移す」という現象が起こるのです。
これは例えるなら、自分の中のメモリに保存されていた膨大な情報を、外付けハードディスクに移したようなもの。
すっきりしたような、少し寂しいような、独特の感覚が残ります。
喪失ではなく「昇華」
こうした感覚を初めて味わうと、「自分の中から知識がなくなったようで不安」と言われる方もいます。
ですが、実際にはその逆。
教材化とは、「手放すことで成長するプロセス」と言うことができます。
教材として体系化した瞬間、自分の中の記憶や感覚が整理され、空き容量ができます。
その「空き」が、新しい発想やチャレンジを生む余白になる。
つまり、教材化とは「知の整理と再構築」であり、自分の学びを次のステージへと押し上げる「昇華」のプロセスでもあるのです。
クライアントさんの声から見えた共通点
継続コンサルを5年続けてくださっているクライアントさんも、この話をした際に「すごく腑に落ちます!」と共感してくださいました。
その方も、独自のメソッドを教材化する中で、「自分の外に出した瞬間、新しい視点が生まれた」と感じたそうです。
自分の経験を「外に置く」ことで、客観的に見直せるようになり、改善や進化の余地が明確になる。
それはまさに、「次の自分」をつくるステップです。
教材は、受講生と制作者の両方を育てるツール
教材は、受講生の理解を助けるだけでなく、講師自身を育てるツールでもあります。
作る過程で、
- 自分の知識をどのように体系立てて伝えるか
- 受講生がどんな順序で学ぶと理解しやすいか
- 言葉選びや例えの精度をどう上げるか
といった問いにも直面します。
その積み重ねこそが、教育者としての成長につながります。
教材化とは、知識や経験を「固定化」する行為ではなく、むしろ「進化させる」行為。
これまで大切に抱えてきた知を、勇気を持って外に出すことで、あなたの中にも新しい可能性が広がるはずです。
これから教材を作ろうとしている方へ。
「外に出すこと」は怖く感じるかもしれませんが、それこそが次の扉を開く第一歩です。
ぜひ、ご自身の知を昇華させるつもりで、教材化に取り組んでみてください。
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