こんにちは。ニッチな分野の人材育成コンサルタントの矢澤です。
このブログでは、あなたの育成ノウハウを“続いていく仕組み”に変える視点や工夫をお伝えしています。
今日は、講師として講座や研修を主催している皆さんに向けたお話です。
「教材にファシリテーター役を任せる」という発想
あまり馴染みのない考え方かもしれませんが、実践事例を交えながら解説します。
今週末、私は「ある学びのイベント」にオブザーバーとして参加予定です。
参加者は高校生。
15校ほどの学校から代表者が集まり、学校の垣根を越えて共に学ぶ場です。
このイベントの中で、私は講評や全体フィードバックを行う立場として関わるのですが、それ以上に教材設計士という職業柄、「学びのプロセスそのものをどう設計するか」を無意識に考えていました。
というのも、今回のイベントで扱うテーマは、
- 正解がない
- 簡単に答えが出ない
- 価値観や視点の違いが前提になる
という、高校生にとってはかなり高度なものだからです。
さらには、初対面同士の高校生がグループディスカッションを行う構成です。
この条件が重なると、イベントの大部分を占めるディスカッションの時間が
- 何を話せばいいか分からない
- 声の大きい人の意見だけで終わる
- 表面的な意見交換で終わる
といった状態に陥りやすくなります。
そこで検討したのが、「大人のファシリテーションを、教材に肩代わりさせる」という方法。
A4・表裏1枚で、ディスカッション用プリントを作ることでした。
このプリントがどういうものかというと、
- 話し合いの目的
- 話し合いの手順
- 考えるポイント
- 話す内容の整理の仕方
- 議論を深めるための問い
- 行き詰まったときの視点の切り替え方
などを記載し、自分の考えや他のメンバーの意見をメモしておくスペースを設けたものです。
「答え」を提示するものではなく、ディスカッションを前に進めるための問いだけが書かれています。
つまり、知識を教えるものではなく、「考え方のガイド」と「ディスカッションの目線」を示して、グループワークの場を進行させるもの。
言い換えるなら「紙のファシリテーター」です。
このように、講座や研修の場を作る「講師が担う役割」を分解して、その一部を教材に委ねることで、
- 大人の介入量を最小限にできる
- 参加者の主体性を引き出せる
- 学びの再現性が高まる
といった効果が期待できます。
「たった紙1枚で?」と思われるかもしれませんが、これもれっきとした教材です。
教材に任せる役割を明確に設計すると、1枚のプリントでも、学びの質を大きく変えることができます。
教材は、「説明するためのもの」だけではありません。
- 考えさせる
- 対話を促す
- 進行を支える
こうした役割も、十分に担うことができます。
これは、研修・講座・ワークショップ・学校教育など、さまざまな現場で応用可能な考え方です。
ぜひ参考にしてみてください。
今回のイベントが、高校生たちにとって実りある学びの場になることを願いつつ、現場で得られた気づきは、また改めて共有していきたいと思います。
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